研究活動歴史総合
中学校における前近代西洋史教育の再構築に向けた国際比較研究
プロジェクトの背景と目的
2022年から高等学校の歴史教育において、「世界史A,B」を必修とする体制から、近現代史のみからなる「歴史総合」を必修とする形へと大転換が図られることが決定しています。
「歴史総合」においては、前近代に関する記述が皆無となり、中学社会歴史分野における外国史教育が、日本人一般の前近代の外国史に関する知識のほとんどを担う状況が生じることになるのです。
そこで本プロジェクトでは、高等学校における「歴史総合」必修化に伴う中学社会歴史分野における前近代外国史教育の重要性増大を念頭に置き、道内および国外の中等教育(特に中学校相当)における前近代外国史教育の現状と課題を分析し、限られた授業時間の中でグローバル化の時代に適合した世界史像を教育できるような授業開発を行います。その際の国外に関する調査はドイツの教諭と全面的に連携し、EUの教育現場における歴史教育の現状および問題認識についての情報交換を行う予定です。
そのことにより、「歴史総合」必修化に際して中学校歴史分野における前近代外国史部分の重要性が飛躍的に増大するという事実が広く知れ渡ることになり、諸外国の状況をも踏まえた上で望ましい授業のモデルを開発提案し、教員?生徒双方が西欧中心史観を脱却して、グローバル化の時代に即した歴史像を獲得し、現代世界の在り方を相対化して捉え直すことができるようになると考えています。
また、将来道内で活躍することとなる学生が、EU圏の教諭と対話する機会を設けることで、今後の共同研究の発展に結びつくような、現場同士の国際的なネットワークの基盤が構築できると考えています。
実施体制
北海道教育大学旭川校
報告書
- 令和元年度進捗状況報告(320.50 KB)
- 令和2年度進捗状況報告(193.54 KB)
- 令和3年度実績報告(173.46 KB)