キャンパス紹介日本税理士会連合会による寄附講座(平成30年度?第3回)を開講しました
~自分と将来世代の未来のために日本の財政を考える~
平成30年10月18日,平成30年度第3回目となる日本税理士会連合会による寄附講座を開講しました。
当日は財務省北海道財務局管財部(本局)から鴨生紘之介氏(本学旭川校?社会科教育専攻卒業)をお招きして,「自分と将来世代の未来のために日本の財政を考える」と題した講義が行われました。講義内容は,「財政についての講話」,「財政教育のDVD視聴」,「予算案シミュレーション」,「北海道財務局の業務」の4点から構成されていました。
講話では,まず「財政」って何なの?という,学生への問いかけから始まりました。何となくわかっているけれども回答できない受講生に対して,鴨生氏から「歳出と歳入のバランスを取る活動を財政と呼びます」と説明があり,税?財政に関するクイズを取り入れて受講生一人一人の理解度を確認しながら,公共サービス支出の解説が進められました。発問を行うことで講師と学生との心理的距離が近くなり,学生は公共サービスの多くが一部負担または無料となっているが,実際には多くのお金がかかっていることを学びました。また,鴨生氏は,公共サービス支出の中でも特に社会保障費を取り上げて,社会保障費の増加は高齢化が原因であると指摘し,高齢化率と社会保障給付費の時系列データをグラフで提示し,日本の高齢化が他国に類をみない速度で進んでいることについて説明いただきました。現在高齢化が進んだ日本では,目先のことだけではなく,自分や将来世代の社会のあり方を考えていかなければならないことを学びました。
講話のまとめとして,財政について覚えて欲しいことを三つあげていただきました。
①公共サービスが税金や保険料によって支えられていること
②公共サービスと税金?保険料のバランスが崩れ,借金が積み重なっている状況にあること
③どのような国を作りたいのか=財政の形(どのようにお金を集め使うか)だということ
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次に財政教育に関するDVDを視聴しました。国の歳入がどのようなところで集められ,歳出がどのように使われているかといった歳入と歳出のバランスに関して,主役の高校生が対話を通じて考え,理解を深めていく内容でした。学生たちは食い入るように動画を視聴し,動画の出演者とともに日本の財政事情に関する理解を深めていました。
講師からの説明や動画の視聴を終えた後,自分が「もし財務大臣だったら,どのような予算編成を行うか」,すなわち,国の予算案のシミュレーションに取り組みました。個人ワークシート(講義資料1)とグループワークシート(講義資料2)を用いて,各グループでどのような社会を実現したいかを話し合い,各歳出?歳入項目の増減を検討しました。活動の中では,財政健全化のために所得税や法人税,消費税の増減といった歳入面と公共事業や防衛費を減らすといった歳出面からの具体的な取り組み内容に関する意見交換が積極的に行われていました。政府が実際に取り組む予算編成と同様に,旭川校の学生の間でも社会保障費抑制を巡る議論が交わされました。学生は,将来の社会を見据えた予算編成を念頭におき,債務残高削減,社会保障費抑制,消費税率引き上げなど財政運営の難しさを実感するとともに,意外と身近にある公共サービスのあり方を考え直すきっかけになったようです。
さらに,シミュレーションした予算編成をグループごとに発表する時間が設けられました。受講生は教員養成課程の学生ですので,教育に重点を置くというテーマを掲げて予算を編成したグループが多かったことや,若者の立場から社会保障費を減額させた予算案を発表したグループがあったのが,とても印象的でした。
最後に,財務省北海道財務局の業務内容をご紹介いただきました。財政をはじめ,国有財産や金融等に関する施策の実施,経済調査など業務内容も多岐に渡ることを知ることができ,財務局の仕事に対する魅力,興味も高まりました。
今回は,多くの学生が財政についての講話やアクティブラーニング形式のグループ学習活動を通じて,社会経済情勢と歳出?歳入項目に対する関心,理解が深まった講義となりました。また,日本の財政事情への関心を高めることが政治への関心を高めることに繫がることに気が付く機会ともなりました。
講義終了後には,将来教員になった際には授業に児童?生徒が予算を組むアクティビティを取り入れた学習指導案を作成し実践したいという感想が,学生から寄せられました。
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当日は財務省北海道財務局管財部(本局)から鴨生紘之介氏(本学旭川校?社会科教育専攻卒業)をお招きして,「自分と将来世代の未来のために日本の財政を考える」と題した講義が行われました。講義内容は,「財政についての講話」,「財政教育のDVD視聴」,「予算案シミュレーション」,「北海道財務局の業務」の4点から構成されていました。
講話では,まず「財政」って何なの?という,学生への問いかけから始まりました。何となくわかっているけれども回答できない受講生に対して,鴨生氏から「歳出と歳入のバランスを取る活動を財政と呼びます」と説明があり,税?財政に関するクイズを取り入れて受講生一人一人の理解度を確認しながら,公共サービス支出の解説が進められました。発問を行うことで講師と学生との心理的距離が近くなり,学生は公共サービスの多くが一部負担または無料となっているが,実際には多くのお金がかかっていることを学びました。また,鴨生氏は,公共サービス支出の中でも特に社会保障費を取り上げて,社会保障費の増加は高齢化が原因であると指摘し,高齢化率と社会保障給付費の時系列データをグラフで提示し,日本の高齢化が他国に類をみない速度で進んでいることについて説明いただきました。現在高齢化が進んだ日本では,目先のことだけではなく,自分や将来世代の社会のあり方を考えていかなければならないことを学びました。
講話のまとめとして,財政について覚えて欲しいことを三つあげていただきました。
①公共サービスが税金や保険料によって支えられていること
②公共サービスと税金?保険料のバランスが崩れ,借金が積み重なっている状況にあること
③どのような国を作りたいのか=財政の形(どのようにお金を集め使うか)だということ
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次に財政教育に関するDVDを視聴しました。国の歳入がどのようなところで集められ,歳出がどのように使われているかといった歳入と歳出のバランスに関して,主役の高校生が対話を通じて考え,理解を深めていく内容でした。学生たちは食い入るように動画を視聴し,動画の出演者とともに日本の財政事情に関する理解を深めていました。
講師からの説明や動画の視聴を終えた後,自分が「もし財務大臣だったら,どのような予算編成を行うか」,すなわち,国の予算案のシミュレーションに取り組みました。個人ワークシート(講義資料1)とグループワークシート(講義資料2)を用いて,各グループでどのような社会を実現したいかを話し合い,各歳出?歳入項目の増減を検討しました。活動の中では,財政健全化のために所得税や法人税,消費税の増減といった歳入面と公共事業や防衛費を減らすといった歳出面からの具体的な取り組み内容に関する意見交換が積極的に行われていました。政府が実際に取り組む予算編成と同様に,旭川校の学生の間でも社会保障費抑制を巡る議論が交わされました。学生は,将来の社会を見据えた予算編成を念頭におき,債務残高削減,社会保障費抑制,消費税率引き上げなど財政運営の難しさを実感するとともに,意外と身近にある公共サービスのあり方を考え直すきっかけになったようです。
さらに,シミュレーションした予算編成をグループごとに発表する時間が設けられました。受講生は教員養成課程の学生ですので,教育に重点を置くというテーマを掲げて予算を編成したグループが多かったことや,若者の立場から社会保障費を減額させた予算案を発表したグループがあったのが,とても印象的でした。
最後に,財務省北海道財務局の業務内容をご紹介いただきました。財政をはじめ,国有財産や金融等に関する施策の実施,経済調査など業務内容も多岐に渡ることを知ることができ,財務局の仕事に対する魅力,興味も高まりました。
今回は,多くの学生が財政についての講話やアクティブラーニング形式のグループ学習活動を通じて,社会経済情勢と歳出?歳入項目に対する関心,理解が深まった講義となりました。また,日本の財政事情への関心を高めることが政治への関心を高めることに繫がることに気が付く機会ともなりました。
講義終了後には,将来教員になった際には授業に児童?生徒が予算を組むアクティビティを取り入れた学習指導案を作成し実践したいという感想が,学生から寄せられました。
講師の鴨生紘之介氏
グループでの話し合い
予算編成シミュレーションを行う様子
グループで作成した予算案を発表する様子
(講義資料1) 個人ワークシート
(講義資料2)グループワークシート